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潰瘍性大腸炎

抄録と臨床例


永野剛造、安保徹、福田稔、宿南章
 演題:自律神経免疫療法と波動療法併用による潰瘍性大腸炎の治療経験
目的:難病に指定されている潰瘍性大腸炎に対して、自律神経免疫療法と波動療法の併用療法(以下併用療法)を施行した経過を報告し、本症の特徴と治療上の問題点を検討する

方法:女性3例、男性2例の患者に併用療法を施行した。波動水はMRA-Specialにて得られた情報を転写して作成し、1回に20mlを6回/日で飲用し、症状の強い場合は点滴を行った。自律神経免疫療法はオサダのレーザー治療器によりレーザー法で週に1回実施した。

結果:1)初診時の白血球の平均値は白血球6720、リンパ球19.3%、リンパ球数1138、好中球73.3%と高度の顆粒球増多、リンパ球減少が認められた。

2)女性3例は3ヶ月の治療によりペンタサ、ステロイドなどから離脱し、便も血性下痢から通常便に改善した。一方男性2例は半年の治療にも関わらず症状が継続し、難治化している。この両者の違いを検討し、本症治療の要点を考察する。

考察:初診時の顆粒球増多で本症が交感神経優位な状態にある事は明らかであり、本症の本質は「腸におけるストレス性潰瘍」であると理解される。従って胃潰瘍などと同じように、ストレスから解放し充分な休養をとれば自然回復(治癒)するはずである。現実には、薬物療法による早期復帰が一般化し、逆に本症の長期化、難治化が引き起こされていると考えられる。また専門医の間でも薬物療法が本症治療の基本とされ、大腸全摘も行われていて、自然治癒力を回復させる治療法は考慮されていないのが現状である。

本症は自律神経のバランスを正常化すれば治癒可能な疾患である。しかし、ステロイドやペンタサなどの離脱時に起こる強いリバウンドのために患者の苦痛が大きく、理論どおりに実施するのは困難な場合が多い。併用療法の利点は、リバウンドによる強烈な下痢症状により引き起こされる体力とエネルギー(気)の消耗に対して、特にエネルギーの補充を行いながら自律神経の調節が可能であり、薬からの離脱が容易になる事である。

 症例
 症例1:H.N 44才 女性 職業 主婦、パート
初診:H14年7月16日
経過:H11/7 発症、入院治療で軽快
H12/5 健康食品を使用して再発、ステロイド内服で外来コントロール
H14/4 下痢、下血、貧血、低栄養で3w入院
ペンタサ6T、プレドニン60mgからはじめ退院時30mg、
初診時にはペンタサ6T、プレドニン2.5mg/日で維持していたが、出血が始まってしまった。
治療経過:初診時に波動水の検査を行い、ペンタサ漸減して1か月で全て中止した。
漸減を始めてから炎症反応が激しくWBCが9000〜11000と上昇した。
下痢、下血が10回/日腹痛も強く、週に3回点滴し、ひたすら寝て耐えていた。
8/20頃から下血が無くなり、水様便が10回/日となり、腹痛も治まってきた。
9月になり、固形便が見られるようになり、10月はじめには3〜4回の下痢に、 11月には3〜4回/日の軟便に、12月には固形便になり、順調に経過している
 症例2:K.M 55才 女性 職業 主婦、障害児個別指導教室運営(多忙)
初診:H14年9月28日
主訴:潰瘍性大腸炎、子宮癌
経過:H10/7発症、2W入院治療で軽快
H10/10 悪化2M入院(ステロイド30mg。ペンタサ他)
H12/10 悪化、(中心静脈栄養、ステロイド60mg。ペンタサ他)下痢、下血、貧血、低栄養で2M入院
H13/12 30日入院
H14/9 子宮癌でオペ、大腸炎も悪化
治療経過:初診時にはプレドニン15mg/日を服用。下痢、便秘を繰り返す
初診時に波動水の検査を行い、プレドニン漸減し1か月で全て中止した。
漸減を始めてから白血球の減少が見られ順調であったが、中止直前より白血球が7300と増加し、リバウンドが見られた。特に関節痛が強く37℃の微熱が1W続く。関節痛に対してボルタレンを内服したところ7〜8回/日の血便になったため中止し、我慢していたところ徐々に改善していった。
H15年になり下痢もなく、順調に経過している。
 症例3:T.T 30才 男性 職業 会社員
初診:H14年9月11日
経過:H4/8発症、入院治療で軽快
H12/1 悪化、入院プレドニン60mg漸減、上行、横行結腸に病変
H13/4下痢、下血、貧血、関節炎のため歩行困難となったため、プレドニン、ペンタサ12T/日、白血球除去などを行う。
初診時にはプレドニン20mg/日、ペンタサ9T/日で維持していた。
1か月前の内視鏡では潰瘍は認められなかった。
治療経過:自らの希望により1ヶ月でプレドニンを全て中止した。
10/16波動測定、出血(-)、下痢(-)
10/30よりペンタサ6T、11/11より5T、11/20より4Tにしたところ下痢が4回/日、関節腫脹が起こる。関節炎は3Wで治まったが、12/20ころより血性の下痢が10回以上となり、12/29よりプレドニン30mg/日開始する。
1/11には波動水の点滴をするにもかかわらず、WBCが16500となる。
プレドニン内服にて下痢は改善したが、減量により悪化する。
3月になり再びWBCが上昇、プレドニン30mg/日から漸減し、プレドニン15mg、ペンタサ6Tで加療中、6〜7回/日の血性下痢が続く難治例である。
 症例4:K.I 38才 男性 職業 会社員
初診:H14年9月10日
経過:H7/1発症、入院治療で軽快
H9からH14/5までステロイドを断続的に服用していたが、悪化し、 手術を勧められたため昌平に3回受診した。痔の手術のため1ヶ月入院。
6月下旬からペンタサなど全てやめたところ悪化し3日間の入院。絶食で下痢が止まり、ペンタサ再開する。
治療経過:9月18日波動測定、ペンタサ6T/日で下痢、下血(-)
10/11 WBC9000と増加するもその後安定した。10/21よりペンタサ3T/日に漸減したところ下血増加したが、波動水の点滴で乗り切る。
11/20でペンタサ中止した所、下血が強くなり、Hbも10を切るようになった。
12/14 WBC8500と上昇した。症状も安定し、調子が良いために、年末にスキーに行った所、39℃代の発熱、関節痛と激しい下痢に襲われた。
H15/1より貧血が進み5.5〜6.3となるも勤務を続けるため、3月末から休職させている。
 症例5:Y.K 19才 女性 学生
初診:H14年11月19日
経過:H12/8発症、入院治療で軽快、ペンタサ服用
H13/11 ペンタサ中止したところ、再発しステロイド20mg点滴(2週間)
H14/5 再発し8月にデカドロン20mgを2W点滴
H14/10 出血、下痢10回/日。ステロイド治療などを勧められるが、副作用を聞いて断固拒否した。
治療経過: 11/25波動測定、出血、下痢10回/日
12/2 WBCが9400と増加するが、週2回の波動点滴で徐々に安定
1/6 出血が減り、6回/日の軟便になる。
1/25にはWBC7000、リンパ球31.1%、2208、好中球55.1%と理想的な値になる。2月は調子が良く来院せず、3/1に受診しWBC9000と増加しているが、その後連絡がなく経過不明である。
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