永野医院の脱毛症治療と波動療法 HOME ] 
内科・皮膚科
脱毛症
頭皮針治療
波動療法
イボ治療
HOME > 治療実績 > 頭皮針治療
頭皮針治療
発表論文
症例
 病名:低酸素性脳症、四肢拘縮、痴呆 29歳 男性
病歴
平成4年6月サンタモニカでサーフィン中に溺れ、意識不明となる。強直性痙攣が続き、数日間は人工呼吸器の裝着を必要とした。呼吸器離脱し、3週間の入院後、東京へ運ばれた。大学病院に入院し、高圧酸素療法を20回施行したが全く反応みられなかった。その結果、脳外科の教授より「回復は絶望的、万が一回復したとしても植物状態で一生経過する」と宣告された。9月に他院に転院したころより、徐々に痙攣は軽減した。入院2ヶ月後(受傷より5ヶ月目)には、日中はほぼ痙攣消失していたが、あるとき突然かけ声に反応し開眼した。その後、七沢リハビリテーションセンターに転院しリハビリを開始したが、強直性痙攣頻発し、四肢拘縮も著明となり平成5年7月転院した。

入院後の経過
四肢拘縮著明、毎晩奇声を発し、リハビリも筋緊張が強く効果的なリハビリは望めなかった。脳波にても徐波が優位であった。
会話も満足でなく単語の反復が見られた。
8月16日 朱氏頭皮針を開始したところ、治療終了時には筋緊張の低下が見られ、関節可動域も肘、膝、股関節などで10度程度改善した。
8月19日 第2回治療時には前腕伸展がスムースになった。
8月28日 第4回治療時には、上肢の随意運動が著明に改善された。会話も、テレビなどを話題にして応答できるまでに改善され夜間の奇声もほとんど見られなくなった。長谷川式検査では6点で痴呆状態と判定された。
12月 下肢には随意的な運動は見られなかったため、体針の併用を開始したところ、12月末には下肢をわずかではあるが随意的に挙上することができた。

考察
頭皮針は筋緊張を緩和させ、関節拘縮、反射亢進の抑制作用などの身体的な効果だけではなく、意識レベルの改善、自発性(意欲)低下を改善させる作用があると考えられる。本例はその後の頭皮針と理学療法併用治療により、身体的にも意識、知能面でも著名な改善を見た。
また体針により下肢の随意運動に効果を見たことは頭皮針と体針の併用の有効性を示す結果である。頭皮針+体針+理学療法が片麻痺には有効であることが証明され、「絶対に諦めない、子供は必ず助かる。」という母親の信念と愛情が実った症例である。
copyright