|
|
|
難治性円形脱毛症の波動療法における生命エネルギー(気)の考察 |
|
要旨 |
|
脱毛症では毛髪のエネルギーが正常者に比べ悪化している。円形脱毛症に波動エネルギーを付与することによって改善が得られた症例を報告し、波動エネルギーの持つ臨床的意義を検討した。 |
|
(方法) |
|
4例の難治性円形脱毛症に波動療法と波動シャンプー及び育毛剤で治療、症例により針治療を併用した。 |
|
(結果及び考察) |
|
波動エネルギー付与にて著効例が得られた。波動エネルギーの付与が「病気」を「元気」な状態に戻し、いわゆる「自然治癒力の回復」に実効のあることが確認された。 |
|
参考文献 |
|
1)皮膚臨床35(5)747-751,1993 2)東方医学14(1)11-20,1998 3)東方医学14(3)23-30,1998 4)東方医学15(1)39-46,1999 5)東方医学16(1)33-38,2000 6)東方医学16(4)31-38,2001 |
|
(目的) |
|
平成10年の本学会で「波動エネルギーを用いた脱毛症発症機序の検討」を報告し、脱毛症では毛髪のエネルギーが正常者に比べ悪化していることを報告した。今回は脱毛症に波動エネルギーを付与することによって改善が得られた難治性円形脱毛症の症例を報告し、波動エネルギーの持つ臨床的意義を検討した。 |
|
(方法) |
|
4例の難治性円形脱毛症に対して、皮膚科治療と『生命エネルギー(気)』の修正を目的として、波動測定器(MRA-1Special)による波動治療を行ない、症例により針治療を併用した。波動エネルギー付与の方法として、特製のシャンプー及び育毛剤に5種の毛髪関連コードを付与した「波動シャンプーと育毛剤」を作製し、さらに波動測定により得られたエネルギーコードを加えて患者に最適な状態にした。 シャンプーは毎日1回、育毛剤は2回使用し、波動水は1日5~6回飲用した。 |
|
(症例) |
|
|
|
|
症例1 : 23才 女性 多発斑状型円形脱毛症(図-1) 初診:平成12年9月19日 仕事上のストレスでH11年4月に発症し、皮膚科治療にても効果なく、カツラを着用していた。1年半経過したH12年9月に来院した。かなり重症の多発斑状型で、脱毛部は産毛も見られない。2~3ヶ月毎の波動療法と波動シャンプー、育毛剤の使用8ヶ月で改善、その後治癒した。 |
|
症例2 : 32才 女性 全頭型円形脱毛症不全治癒(図-2) 初診:平成10年3月10日 4年半前に全頭脱毛となり、1年半後には全体に発毛したが数cm以上伸びることなく経過し、3年間不全治癒(初診時)の状態が続き、カツラを着用していた。遠方のためMRAによる波動療法を3ヶ月毎に行ない。波動シャンプー+育毛剤で治療を行なった。エネルギーの改善により1年後には全体に伸び始め、H13年3月治癒した。 |
|
|
|
|
|
症例3 : 55才 男性 難治性全頭型円形脱毛症(図-3) 初診:平成12年7月23日 全頭脱毛になり12年間改善せずに初診時の状態で経過している難治例である。 月に3回海外出張の超多忙サラリーマンで、慢性過労状態であった。 全体に発毛していたが3cm以上伸びることなく、10年以上カツラを着用していた。数cm以上伸びなかった毛髪が、針、波動療法、波動シャンプー+育毛剤の治療により1年後に改善した。 |
|
症例4 : 30才 女性 難治性全頭型円形脱毛症(図-4) 初診:平成12年12月26日 20才で円形脱毛発症し、数ヶ月で全頭脱毛になり、種々の治療に反応せず10年間発毛しない。頭皮を観察すると産毛は出ており、産毛が硬毛化しないことが難治の理由で、産毛から成長するエネルギーがないという事が考えられた。 子供が小さく、遠方で針治療に通院は不可能なため、波動療法、波動シャンプー+育毛剤による治療で半年後には発毛を見た。 |
|
|
|
|
|
|
(考案) |
|
1)治療の概要 閻三針と体針併用(以下針治療とする)による円形脱毛症の治療効果は既に報告した。この針治療は毛髪と身体の気の調節を目的としたもので、1~3年未満では著効率54%、有効率は92%で皮膚科治療と針治療の併用は優れた効果があることが明らかになっている。 波動療法は自律神経、免疫、ストレス、抑鬱などの感情を中心にする基本修正と、毛髪関連コードの直接の修正を行なう。これらの測定より得られたエネルギーの歪み、異常を正常化する修正コードにて波動水を作製し、さらにシャンプー、育毛剤に付与する。通常の難治性脱毛症の治療は針治療と波動療法を併用して行なっている。 |
|
2) 症例1 症例1は通常の多発斑状型の円形脱毛症であるが、このような重症例で時間が経過すると、ステロイド剤及び塩化カルブロニウム外用等による通常の皮膚科治療では治癒は困難なことが多い。本例は遠方で週一回の通院針治療が無理であったことから、波動療法によるエネルギーの修正を主に治療を行なった。 中医学の「気」と波動療法の「波動エネルギー」は同質の生体エネルギーと考え、MRAで気功中のエネルギー変化を測定し、「気」と「波動エネルギー」は明らかに同質のものであると報告したが、気の測定が不可能な現段階ではそれを客観的に証明することは困難である。これまで難治性脱毛症には針と波動療法を併用して治療に当たって来たが、本例が波動療法のみで治癒したことは、波動エネルギー修正が難治性円形脱毛症に有効であることを証明し、他の病気に対しても有効である可能性を間接的に示す事になった。 |
|
3) 症例2 症例2は長年円形脱毛症を診て来たが、まことに不思議な症例である。円形脱毛症は発毛が始まった時点で治癒と見なされるので皮膚科的には治癒であるが、患者にとっては治癒しておらず、患者はカツラを装着し毎日苦痛の生活を送っていた。毛周期は、成長期が数年続き、退行期が1~2週、休止期が数ヶ月続き脱落する(図-5)。 |
|
|
|
成長速度はおよそ1cm/月であるから、3年では30cm以上になるはずで、本例のように数cm以上伸びないという毛髪の状態は極めて異常である。 再発-治癒を繰り返す難治性円形脱毛症は、病巣が転々と移動し、症状が改善した部位の毛髪は正常の毛周期になるのが通常である。何故このような異常な状態が続いているのであろうか? 患者に説明するために、毛髪を植物に例えて次のような解説をした。 |
|
『毛髪は植物と同じである ・毛髪(植物)は体内(大地)より毛根(根)を通して血液(土)から栄養を取り込み、猛烈な細胞分裂により、月に1cm (植物同様)成長する。 ・植物は、エネルギー(気)が枯渇するとしおれて枯れてしまうように、脱毛を起こす時もエネルギー(気)が低下する。(本学会にて発表済み) ・症例は、「植物が芽を出しても生長せずに、いつの間にか枯れてしまう」状況と同じで、成長を続けるエネルギーが不足しているといえる。 ・エネルギーが不足する原因は精神的、肉体的ストレスによる「気血の運行の不調」による。』 |
|
苦肉の策であったが、脱毛症の病態の本質を良く表していたと考えられる。つまり、頭髪全体が同じ長さ以上伸びないのは、全体に成長するエネルギー(気)が不足して、休止期になり抜けてしまうと解釈できる。このような病態は非常に稀であるが、脱毛症をエネルギー的に考える格好の症例であった。 患者は遠方のために、波動療法と波動シャンプー+育毛剤で治療した。時間はかかったとはいえ、完治した事は波動療法の効果を示すものと言える。 |
|
5) 症例3 症例4は全頭脱毛になって10年の経過で、症例3よりもさらに短く、いわゆる産毛の状態であった。このような状態はほぼ治癒不能と考えるのが普通であったが、前3例の治療効果をみて、治癒の可能性ありと判断した。本例は針治療が出来なかったので、波動療法と波動シャンプー+育毛剤で治療した結果、7ヵ月の治療で頭部全体の発毛を見た。 この患者は家庭の事情で、その後の治療が中断されたため治癒までの経過が追えなかったのがまことに残念である。しかし、10年間全く改善しなかった全頭脱毛が治療に反応した事は、経験上特筆すべき事で波動療法の効果を示すものと考えられる。 |
|
6) 気血と毛髪の関係(図-6) 毛髪を植物に例えた病態生理の説明は、自然の理にかなったものであるが、学問的ではないので脱毛症を東洋医学的に説明する。 |
精神的、身体的ストレスは、「気」または「血」に悪影響を及ぼす。気、血は相補関係で身体に作用しているために、いずれの低下でも悪循環を生じ、身体の生命エネルギーの働きを阻害し、身体に不調を生じる。このエネルギーに最も敏感に影響を受けるのが、血余と呼ばれる毛髪である。 |
|
毛髪は10万本といわれ、左右の前頭、側頭、後頭動脈の6本の血管で栄養されている。しかも、毛髪は月に1cm成長するといわれ、ガン細胞にも匹敵するエネルギーを消費するため、血流障害は大きな影響を与えるのである。また、毛髪と身体は植物と大地の関係である。土地の異常の有無は、その土を分析するよりも、その土地に生えている植物の状態を見れば、一目瞭然である。同様に脱毛を起こすという事は、身体に異常が生じている事の警告であると考えて、日常生活を見直す事が必用である。 |
|
7) 症例から学ぶ事 毛髪は肉眼で観察できる組織で、毛周期という規則性のある経過が判っている。また「髪は血余」と言われ「気、血」の影響を敏感に反映する臓器であり、脱毛症とエネルギー(気血)の関係を見ることは、体内臓器の異常(いわゆる病気)のエネルギー変化を考察する上で最良のサンプルである。 円形脱毛症が波動エネルギーの正常化に伴い改善したことは、「異常を起こした臓器はエネルギー(気)の異常が生じていて、その異常が改善することが治癒にとって必要である」ということを示しており、東洋医学の根本にある「気の治療」が病気の治癒に絶対に必要なことであることを示している。 |
|
(結語) 円形脱毛症では毛髪のエネルギーの低下が大きく関与すると考え、エネルギー付与を試みたところ著効が得られた。波動エネルギーの付与が「病気」を「元気」な状態に戻し、いわゆる「自然治癒力の回復」に実効のあることが確認された。 |